98.2008年初関西パンとビールと親知らず


2008年最初の関西訪問は、1月の最終週末に。
前々から1月か2月には関西行っておこうと思っていたが
ちょうどそのタイミングで、とあるイベント開催の知らせが。

昨年から参加するようになったビール愛好家たちの集まり。
いつも東京で、週に1回くらいのハイペースで誰かしらと
ビールパブで飲むような生活になり、パンゲル係数だけでなく
ビアゲル係数までうなぎ上りになった全日本麦党mi_wa。
その「関西支部(?)」の新年会があり、
東京のメンバーも数人遠征(ビールのためだけに!(笑))するそうだ。

わはは、酔狂! わはは、みんなバカだなぁーー。

…だなんて笑えない。
私がいつも「パン」でやっていることじゃないか、と(笑)



金曜日の夜、仕事の後に夜行バスで関西を目指すのだが
その2日前くらいからまだ抜いていない親知らずが急に痛みだした。

金曜日の夕方に歯医者に行くと
「今すぐ抜きますかー?」とな。
うは! 今すぐですか?! 心の準備が、スケジュールの都合ってものが!
親知らずを抜いたら、翌日はのたうちまわって安静にすべし、という
イメージがあったので、関西から帰ってからすぐ抜くことを決めた。

しかし…はっきりいってシャレにならないほど痛い。
抜いても痛い、抜かなくても痛い。うーーむ、
痛み止めをもらってはいたものの、
あまり飲み過ぎてもいけないかなぁと自分をセーブ。
夜行バスはずきずき痛む親知らずのせいで安眠できず…
(毎度のことながら)へろへろで大阪についたのは午前7時前だった。

いつもの心斎橋の銭湯で身支度を整え、
欠かしたことがない朝の連ドラを見て(笑)
いつもの連れらと合流すべく岸辺へと向かった…
あーー、親知らず痛いっす、、、

爽やかなシュクレの朝の風景…
私の奥歯のすったもんだなどドコ吹く風…

実は明日朝もシュクレに来る予定なので、
今日は「今食べ切る分」に絞り、この2個のみ。
なんかぁーちょっとぉー余裕って感じぃ−?

今まで手を出した覚えがない、
ブーランジェリーの定番、パン・オ・ショコラを選んだのは、
「特別じゃないもの」を選びたかったから。

そのままで食べても、バレンタインにあげてもいいくらいに(笑)
美味しいショコラが少しとろけた感じのパン・オ・ショコラ。
ファサファサっと、やわらかい生地が
今まさに傷付いた私のカラダ(というか口の中)には優しい…。

でもやっぱり特別パンも食べたい(矛盾)。
パン・オ・アブリコ・ア・ラ・キャネルは
キャラメルとシナモンの効いた生地に、アプリコットとサツマイモ入り。
シナモンが絶えず口の中で香りのベースを敷き、
柔らかいアプリコットのクニクニとした繊維感、
それとは対極のほこほこしたサツマイモのコントラストが楽しい。
ホワイトチョコが入っていたことには気付かなかったほどに
繊細に味をまとめてくれていたよう。

2個しか食べていないのは、
なにも親知らずのせいだけではない…
そう、今日はお隣さんでケーキを食べて
この後ランチにも行っちゃおうという算段なのだ。

11月にオープンした、シュクレのパティスリー、ケ・モンテベロ
フランスでは、パン屋と菓子屋が併設しているのはごく自然な風景。
その文化をこの土地に伝承すべく、
フランス帰りのパティシエ2人を招き入れ、
念願だったパティスリーを併設することになったそうだけど、
そりゃー大変だったんだそう…

前に「こやつはなぜにこんなに狂ったようにケーキ食べ漁ってるんだ、、、」と
呆れたことがあったのだが(笑)、これはその伏線だったのかと
フォークを落としそうになったことがあった(余談)

連れらはすでにオープン時から何度も来ているそうだが
私は完全初ベロ。まさに今、ベロっちゃうもんね!(笑)

窓からショーケースのみならず厨房までまる見えのシュクレとは対照的に
ベロは外からはいったい何屋なのかすらわからない。
だからこそ、洞くつの奥に入り込んでいくテンションで…

エントランスから、奥のショーケースに辿り着くまでに
なにか物語の序章のような…全くの異次元に迷い込んだような空間!
詳細な画像は載せませんが…(お楽しみに)
こんな造りのパティスリーは多分他にないでしょう。
(私は全然パティスリーに詳しくはないですが)
パティスリーやパン屋だけを見ているだけなら
こういう造りは”創造”できなかっただろうなぁ…と。

おお、このステンドグラスが…
シャルトルブルー…じゃなくて、
モンテベロブルー。
いや、それじゃ車の名前だ。
ベロブルーと呼ばせてもらおう(笑)

時間帯によって太陽光の注ぎ方が変化し、店内の表情も変わる。
深海のようでもあり、カテドラルの中のようでもあり…

1つだけあるテーブルでイートイン。
(珍しく)紅茶をオーダーし、私が選んだ生菓子は、ラクテ。
チョコレートのムースとフランボワーズを包み込んだもの。
正直、ケーキには通じて無い自分としては、
不安な気持ちもあったけれど…

ひとくち食べて…
「うわ! 美味しいっ」
素直に言葉を発せた。

がつんとした甘さのチョコレートムースはカカオの豊かな香りを抱き
フランボワーズとのマリアージュが酔わせる。

オープン時から2度ほどこれを食べている連れも、
「前と全然違う! 進化してる!」と驚きの表情を隠せないよう。
オープン時に納得が行く商品を出せなかったというが、
この短期間で、よくぞここまで引き上げたもの…
私はなんていい時期に来たんだろう。自分、すごい(なぜそこで自分褒める)

連れ1が選んだのは新作のクープフレーズ。
白ワインのジュレや、ピスタチオのムースなどが層になったもの。
ミックスさせて食べるとよくわかんないけど
層を個々で食べると美味しかった。

連れ2のモンブランは、ラクテのがっつりさとは対照的に
とてもあっさりした優しい甘さ。
中にはザクザクしたメレンゲみたいなものが
食感にメリハリとアクセントを。
(私、ケーキ用語、なんにもしらん(汗)ごめんー)

今回買って帰れなかったけれど、 焼き菓子、特にタルトがすごく美味しそうだった。

最後に。
ここでケーキを食べた方、ぜひお手洗いも行ってみてくださいね(笑)






さて、まだ食べる我々は、車に乗り込み
連れの1人がリクエストしたカレーのお店へ。
欧風カレーの店で、10区、という名前の店だそうだが…
かなりクセのある風貌の店。うは、、、これは、好き系に違いない…

住宅街に隠れるように…といいたいところだが
これだけ蔦が絡まっていれば十分に怪し気なオーラがむんむん漏れてくる。
店内は、アンティークショップそのまんまというか、
レトロな調度品、雑貨、古くて味のあるものなら和洋おかまいなく揃えているよう。

かなりクセがある。おもしろすぎる。
何時間いても、すべてのアイテムを見ることは不可能だろう。
それでもどことなくフランスの香りが漂うところが、
どこかGAMAさんところのアフリカをフランスに置き換えたようなイメージ…

今日のカレーは3種類くらいあり、
まよわず「ド・テ・カレー」を注文。
牛スジを煮込んだカレー。連れ1は蟹カレーを。

付け合わせに京芋のようなねっとりした芋が!(笑)
ここにこれをあわせるところがなんか…曲者!(良い意味で)
カレーはとにかく絶品だった。牛スジの幾分臭みとクセが残ったところも
ひっくるめて、臓物ラブにはたまらない旨味。
蟹カレーも、とにかくコクがあってココナツミルクがまろやかに
骨の髄までとかしてくれそう…。うますぎまふ…。

連れはここで1人お別れ、また夜合流しような、麦酒の宴で…
それまでにこのカレーとさっきのカレーを消化せねばね(笑)。







続いて吹田方面にドライブ。
そうそう、確かパン屋があったよね、自家製酵母系の…

というわけで、初来訪、北摂で古くからやっている楽童さん。
駅、線路にほど近い、茶色の味のある小屋の中に、
素朴な素朴なパンたちが並ぶ。

カラダにいいものを、安全なパンを…
というコンセプトがびしばし伝わってくる。
リンゴ、山イモ、ニンジン、玄米を用いて発酵させた酵母…
もしかしたら…と、味のイメージが舌の上に浮かんできた。
焼き戻して後日いただいてみることにしよう。







車で移動するんじゃ全然消化が進みません(笑)、
なのに消化の悪いコーヒーをなんだかとても飲みたい気分。
というわけで、連れが連れていってくれたのは、
なんと、ベロの女性パティシエさんが前に勤めていたという喫茶店だ。
江坂のヒロという珈琲とケーキの店。

一見、ごくフツーの喫茶店なのだが
ケーキがものすごい充実っぷり。す、すごい。
これはケーキ好きじゃなくてもつい「ケーキ!」と言いそうだ。

私好みの酸味寄りの珈琲を選んだが、非常に美味しかった。
隣に座ったペアが、ものすごい興奮っぷりで
「こんなに旨いケーキ食べたことないっ!」とか言っていたなぁ(笑)






さて…
すっかり夕方、ようやく本町hに参上…
16時だというのに、もうパンがないっ!
いいいーーーっ。もう品切れですか???
こんなこともあろうかと予約していたからいいけれど…

どうやら、年明けから大変らしい。
人手がなくて、量が焼けないんだそう。
ほんと疲れて寝てなくて痩せこけて(注:カラダがではなく、顔に限る)
お願いだから無理しないでください…
といっても、何の力にもならないのがもどかしい。

予約した10個のパンたちは、やはり今回も謎めいたものが多い。
一見すると、オーソドックスに見えるかも知れないけれど
聞いて驚き、食べてなお驚くのがhのパン。

手前のトマトのフォカッチャのようなパンは、
なんと…生地に砂糖を加えているそう。そう、甘いのである!
チーズがかかっていてまさに甘いフルーツピザ。
口どけのよいクリーミーなチーズと砂糖甘さが
トマトをフルーツとして見立てても違和感がないことを知らしめてくれる。

なんといっても楽しみだったのはマンゴーフロマージュ'08。
そう、歴代のマンゴフロマージュたち(過去のESSAYたちを御参照のこと)のさらに上を行く、
マンゴーそのものを目指したマイナーチェンジ版だ。

生地にたっぷりマンゴーが使われ、
チーズを包み込み、マンゴーを載せている…ところまでは同じ。
しかし、表面にぺたぺたしたマンゴーソースが塗られている!
そ、そこまでやりますか(汗)。
しかも、フロマージュのてっぺんには
色的にまったく境界がないカタチでホワイトチョコが…。
最初の05バージョンのときより、
一体どれだけ手を込めちゃっているんだろう…

絵的にはあまり美しくないかもしれないけれど
チョコレートコンビたち。

今回、本当に衝撃を受けたというか…
改めて、シェフの「パティシエ・ブーランジェ」としての
スゴさみたいなものを感じたのは、チョコレートのガレットに
フランボワーズが塗られたもの。

ひとくち食べるなり、鳥肌がたった。
どんなケーキを食べるよりも、どんなパンを食べるよりも、
これを超えるチョコレートものってあるんだろうか?!
パンという素材の限界を超えて、もうなんだか違う次元にいってしまっているかの…
それでも、決してケーキ、ではない。
その狭間で存在し続けている気がする。

同じく衝撃をうけた、ガレットキャラメル(勝手に命名)
シェフ十八番のキャラメルソースは苦みが強い。美味しい苦さの臨界点。
巷でもてはやされている高価なキャラメルと
まったく同じレベルの味。いやそれ以上?
それを、惜しみ無くパンに使ってしまう…

一見、「ただのブルーベリーのパン?」と思えるミルティーユは、
これも食べてため息をもらした。
だって…生地の底に、カラメルのような甘苦く焦げたソースが
こびりついているんだもん…。美味しすぎて…こんな仕掛け、しらない…!

そして、ミワパン1/4。
このパンを手にすると、なんか背筋がのびる気がする。
美味しいパンに甘えて、パン以外は手抜きな惣菜にしたり
作り置きした料理を何日も食べ続ける日々の食事。
このパンがあると、なんだか…
恥じない食事をしなきゃと思わされる。
恥じない自分でいなきゃと思わされる。
自分を見直させられる、鏡のようなパンというか…
それは決してプレッシャーなんて重いもんじゃなくて、
イイ自分でいたいという願望の現れのような…


ケーキのようなパンを焼くといったら一言で終わってしまうけれど
私はやっぱりシェフがパンの世界に来てくれて本当に嬉しい。
そうでなかったら、きっと私はシェフに出会うことがなかったからだ。
菓子屋ならきっと出会えなかった。
パンだったからこそ、この出会いがあったわけで…
その日、私はそんなことを考えていた。


隣のマルシェでビールを飲みながら(おい!)
パンを食べながら、待ち合わせの時間とにらめっこ。
うーん、後30分あるのに、全然お腹減らない(当たり前だ)
よし、それじゃひとっ走りしてこようか…





同じ本町でもやや北に位置する、パンデュースさん。
こんな真っ暗な時間に来たのは初めてだ。いつも早朝だし。
実は今朝、せっかく心斎橋で銭湯入っていたんだもの、
シュクレの前に来ようと思っていたのに、
親知らずのヤローめが…。

痛み止めが効いている今のこの隙に!
あまりもうパンも残っていないとはいえ、
今回も激トレボンなお野菜パンたちに出会えたのであった…

農薬不使用たまねぎのタルティーヌ。
バルサミコでじっくり炒めたたまねぎとベーコン、
そして松の実が散らされた酒のアテ系。
相当たまねぎの重量感がありどすんと重たい。
甘みが強くて美味〜。

そして、後で連れにも齧らせて絶叫させたのは
有機栽培ターサイのクロックムッシュ!
これ、本当に美味しかった。美味しすぎた。
ペシャメルソースとハムとターサイがサンドされているのだが
このターサイの効果といったら…!
ハムにもソースにも負けないこの青菜の力はいったい…?!
早く、早くビールが飲みたいんです!!!
ターボ!



再びアッシュに戻り、連れと合流して
ビール新年会の会場へ向かう。
以前行ったことのある、阿波座のスペイン料理屋の至近だ。
ドイツ料理のGASTHAUS44が今回の会場。

顔見知りがやたら多い会だった。
顔なじみの関東組に、関西にもビール友がいる私(笑)。
(なぜなら、パン好きと同様に、関西のビール好きもわざわざ関東にビール遠征にくるからだ…)
関西の連れは、この会に参加するのは初めてだが
紹介して、みんな仲良くプロースト!

料理は最初は軽めに、次第にこの店の実力がどんどん発揮されてくる。
それにしても料理がしこたま美味しかった!!!
パンは冷凍焼成タイプなのだが、
臓物好きには悶絶もののレバーケーゼに
プレッツェル入りのサラダ、ソーセージ、
ほわっと口どけ最高のテリーヌ。
お肉料理やパスタ(も出た記憶が)出るもの全部絶品。
あれだけさっきまで消化不良といっていたのに
美味しすぎて、思いのほか食べ進む!!

そして、なんといってもアイスバインが強烈!!!
ザワークラウトは、しっかりスープの出汁を吸い込んで酸味がほとんどなく、
肉はやわらかく旨味をしっかりキープ。
付け合わせのポテトはバターが染み込んでジャガバタ状態?!

連れと「これは今度イベントに使いたいね、、、」
連れは本気でやりかねない。
だったらその時は私もまた関西駆け付けるし(笑)







会は大盛況に終わり、そして二次会へ…
私は、二次会にももちろん同行。
なぜなら…今回の宿は、茨木なのだ。
二次会も茨木。
なぜわざわざ大阪中心部から茨木へ移動なのかって?

ビール好きの間で、茨木市が熱いらしい。
というのも、阪急茨木駅の周辺には、
ベルギービールをデフォルトで置く立ち飲み屋やら
ホルモン焼き屋やら喫茶店(!)やら、
ハシゴが超おもしろい町なんだそうな。

昼間私がパンめぐりをしている間に、関東ビール遠征組は、
茨木でビールはしご&ホルモン三昧をし、
実質二次会でなく、もうすでに4次会だったらしい(笑)。
うーーん、すごい!
まぁ、私もパン屋を含めれば9次会ですが(笑)

連中はみな、当然茨木宿泊だそう。
翌朝シュクレに行くことを考えても、
茨木宿泊は便利かもしれないと、
私も今回は茨木宿泊に決定。

おお…大阪で3000円以上の宿に泊まるのは久々だ!!!(笑)

駅から3分くらいの静かな裏通り的な場所にある、
立ち飲みカウンターだけの店。
確かに焼酎の品揃えも豊富だし、お品書きを見れば
おでんやお造りなんかもフツーにあるのだけど、
ビール樽はデフォルトでヒューガルデン(笑)。

料理は、ホルモン料理屋と系列が同じだから、
やたら臓物系の料理が多い。えらく生が多い!(笑)
しかもどれを食べてもうまい…。
もうこれ以上食べたら明日に差し支えるって…

ぎゃふん! 本日2度目の臓物カレー、ホルモンカレー(笑)。
これもホルモンの臭みがイイ意味で鼻腔をつきぬけ
うまーいうまーい!
(もちろん、回し食いですよ! あしからずー?!)
つられてホルモンの煮込みもひとりで全部食べてしまうありさま。
今日1日だけでどんだけ臓物食べる…

ビア仲間では恒例行事、特大グラスでの回し飲み!
マグナムサイズ(3リットル!)で5000円、みんなで回し飲むのだが
このデカさ、伝わるだろうか…
小サイズのグラスがまるで薬のキャップのような…

しかし、実は私は限界に達していた。
さっきの店でもずっと立ちっぱなしで飲んでいたゆえ足腰は疲れ、
そして…親知らずの痛み止めが切れてズキズキ痛みだして来た!
もうギブアップ、これにて退散〜。
彼らは、一体何時まで飲む気なのだろう?!(笑)







本来爽やかであるはずの朝?!
せっかく茨木に泊まっているのに、2駅隣の岸辺に行かないなんて
パン好きとして失格! がんばれ私、まけるな親知らず(&二日酔い)!

よもぎちゃん(仮名)と岸辺で待ち合わせ、ともにシュクレへ向かう。
彼女とシュクレへ行くのはニ度目なのである。
(ESSAY80番番外編はこちら

昨日より早い時間に来たはずなのに、
うわぁ、ほとんどパンないじゃん?!
続々とパンは焼かれるのだけど、来る客の数がハンパじゃ無い。
一向に切れ間が見えない今日のシュクレ、これは戦いだ…

というわけで、(実は)初めて食べるプチパンのカスクルート。
シンプルにフロマージュジャンボンにしたのだが
ほどよく温められたこのサンドイッチは失神するほどに美味しすぎた…!!!
ハムとチーズによって、極限までに生地の美味しさが引き出されていて
いたた…いたた…親知らずの痛みプラス、美味しさの頭痛が…

今日は、遠慮なくお持ち帰りパンをセレクト。

パン・オ・フレーズ・バジリークは、
シュクレお得意のバジル入りの生地に黒胡椒がベース。
普通のパン屋セオリーならここでベーコンやトマトがくるところに
なぜにドライイチゴとレモンを持ってくるのか!(笑)
バジルにケンカを売るのか、イチゴちゃん?!

しかし、それが全く違和感なくまとまっているのが変!(←褒め言葉)
まだ「違和感を楽しむ」ならわかるけど、
違和感なく、すーっと受け止めてしまえるこの組み合わせ。
うーーん、一体どこまで凄いんだってば…

これも特別パン。
カフェ・ノワールとセーグル・カカオ。
(実はこれらのパンはまだ未食。後日食べ次第、更新しておきます)

昨今のチーズ高騰もなんのその、定番のパン・オ・フロマージュも
相変わらずチーズ祭り状態であったし。

シュクレで絶対欠かさないのがキッシュ。
今日はキッシュ・オ・ポティロン・エ・パタト・ドゥース。
そう、かぼちゃとさつまいものキッシュ!!!
いやいや、そんじょそこらのかぼちゃさつまいもキッシュだと思って
なめてかかったら火傷する(現に焼き立て、熱い!)
他のキッシュと同様、ベースとなる旨味(たまねぎも入っていたんだっけ?)
がすばらしくて、かぼちゃとさつまいものホクホク甘みが
我が道を行くかのような余裕っぷり。もう…悶絶疲れ、、、

忙しい店内を見ていて、ひっきりなしに訪れるお客さんをみて
今日は、やっぱりあえて特別なだけでなく
「いつもの」「定番の」を無性に食べたくなった。

そう、それがバゲット…
焼き立てのバゲットをひと嚼みすると
自然に首がぐぐ…っと後ろにのけぞった。
生地の甘みが半端ない。ひたすら甘い。
しかし甘さだけでなく、やはりシャープさも合わせ持つ。
美味しすぎる…やっぱりバゲットが心底美味しい。

たぶん…
近場でいつでも通えるお客さんに嫉妬しているんだろう、私。

もし、吹田在住で、本町勤務…なんて生活をしていたら
いったいどんなに片寄ったパン嗜好になっていただろう(笑)
ああ恐い。ああ恐いほどに憧れる…







よもぎちゃん(仮名)と岸辺で別れた後は、夕方までひとり、フリー。
うーん、さて、何をすべきか。どこへ行くべきか。
シュクレに行った後はいつもこんな感じだ。
「なんかもういっぱいいっぱいだ」と(笑)。

とりあえず、京都にでも行こうと京都行きの普通電車に乗る。
よもぎちゃん(仮名)が教えてくれた、長岡京にある
かわいらしい素敵パン屋さんに寄ろうと下車しようと思っていたが…

昨晩からの寝不足で強烈な睡魔、長岡京はあえなくスルー、
目がさめるとそこは京都だった(笑)。


パン屋さんに行こうにも、どうにも親知らずが痛み、テンションが低い。
加えて、今日は異常に寒く、なんと雪も降って来た。あーー

私を暖めて!!!







…で、なぜかラーメンを(笑)。

そう、ここは去年の春(ESSAY81番)に訪れて悶絶した「京野菜たっぷり東龍そば」。
前回は、風邪を治してくれたこのラーメン、
今度はどうか私の親知らずを鎮めて!(笑)

…しかし、前回の方が明らかに美味しく頂けた。
美味しいのは美味しいのですが。なぜだろう?
もしかすると、これも親知らずのせいか?! バカー!



そのまま、延々と徒歩で北上、一乗寺の東風さんに行こうと思ったが
先にもう一軒パン屋さんに行きたいなと、
そのまま北上を続けた。ひたすら寒くて、雪が降って来て、奥歯が痛む(笑)
それでもバスに乗らずに頑として歩いたのは、
一日乗車券のエリア外だったからという…(笑)

ここは修学院駅の近くにある、サラムーンというパン屋さん。
女の子がひとりでやっているお店で、
フランス産チーズをいろいろ使ったパンを焼いていると聞いた。
しかし到着時間が遅かったのか、ほとんどパンはなく
小さなひとくちサイズのチーズ入りのパンを2個のみ購入…

空のパン籠には、さっきまであったのであろう
パンの説明書きが残されていた。
使用しているチーズの種類を丁寧に手書きで書き、
それを読んでいるだけで、フランスへの想いが募ってくる…

しかし、チーズプレートなるものがあり、なんと3種盛りでたったの600円!
これはもう、いただいていくしかありません。
というか、飲むしかないでしょう(笑)。
プレートには、スライスバゲットもつけてくれる。

ひとくちパンもカウンターでいただいた。
うは、これ、美味しい!
「フルムダンベール」(60円!)は胡桃もちょこっと入っていて
ちょうどよい塩加減ですごく美味しい!
「フロマージュ」(60円!)は、
赤ワイン煮のレーズンとクリームチーズ入り。
これも60円で提供してくれる常識を超えてます! 美味しいよー

フランスに関する蔵書を読みながら、カウンターで
チーズとお酒とパンをいただくひととき。
ついつい、懐かしさに読みふけてしまった「エルマー」の本!
パリのパン屋さんについてオーナーの女の子と話ができた。
とても感じのよい女の子で、いい時間を過ごすことができた。



ついつい長居してしまい、あわわ、もう大阪帰らなきゃ…!
大阪に戻り、ミナミでいつものパン姐様と夕食を食べ、
関空から飛行機に乗り、帰京…







ああ、今回もなんだか濃厚すぎる2日間だった。
こうでなきゃ、関西2DAYS…。
たった2日間なのに、会うべき人たちに会い、
新しい出会いもあり、そして食べるべきものも食べた。



何かと暴れだそうとしていた、
何かと私の行動を邪魔していた
親知らず君との付き合いも今日が最後。
明日の夜にはさっさと抜いてやるぜ、覚悟せよ!



…しかし、麻酔が切れたあとに訪れる、
この世のものとは思えないほどの激痛にのたうちまわることになろうとは
このときは知る由もなかったのだった。
せっかく買って来た関西のハード系パンたちも、
なかなか食べることができず、お預けを喰らう羽目になろうとは
このときは知る由もなかったのだった…。
恐るべし、親知らず!(笑)
2008.1.26〜27



ESSAY TOP

HOME




-----------------------------5856401949371863571646035001 Content-Disposition: form-data; name="userfile"; filename="" Content-Type: application/octet-stream