108-1.08年夏、出会いと再会の瀬戸内紀行【前編】


今年の夏に、中国地方に行く予定なんて全くなかった。
07年の夏に、たっぷり満喫して「また行きたいなぁ」とは、
そりゃー思っていたのだけど…
(07年夏の中国地方パン行脚はこちらから)


2ヶ月くらい前に突然飛び込んで来たニュース。
昔、大好きで、すでに解散してもう16年くらいたつバンドが
なんと野外フェスで復活するらしいと!!!
そのニュースをみた瞬間に鳥肌がたった。
アドレナリンがドゥワーっと放出した。

えっと、あと5分後にチケット受け付け開始?!
8月○日?!
広島で?!
えっと、えっと…!

迷ったのはものの5秒。
5分後にはチケットをネット予約し、
10分後にはマイルで航空券を手配し、
15分には宿も手配してしまった。
(有休の申請が一番最後、というのが私らしく…)

すごい、すごすぎるチャンス到来!
まさか生きてこの目で生で見られる機会がくるなんて…
ああ、8月が遠い、8月が遠すぎる!

…といいつつ、時の流れはあっという間で、
あれよあれよというまに8月中旬。
今回のプランは、岡山から入り、18きっぷで広島へ到着、
翌日に野外フェスを見て、最終日はパンめぐりでもして東京へ…
そんなプランだった。

しかしまー、ありがたくないことに、その週末は天気が雨予報。
むむ! これは「自称・究極の晴れ女」の私の実力の見せ所ですよ!!!



*岡山編*

今回も、前回あちこちに岡山パンめぐりに連れていってくださった
岡山在住のパン友さんにクルマを出して頂いて県北のパン屋さんへGO!
もう一名、初めましての現地パン友さんも御同行で、
3人でわいわいパンツアー。
 
最初に訪れたのは、最近パン屋さんを開業した
自給自足の田舎スタイルなお店。
奥様がアメリカ人で、ダンナさんは日本人。

それにしても…
私は運転していないのでまったく道がわからないのだが
どえらく周りになにもない!
私の中では「岡山のパン屋さんってどこもこうなの?」と
おかしなすりこみがなされている気がする(汗)

だって、周りは山と田んぼと畑しかないんですから〜!

手作りのログハウスには「木・金・土」の営業日の看板が。
週に3日だけのパン屋さん。

小さな小屋には、売り場と工房が。
少しレトロなショーケースの中には、ベーグルが!
とてもきれいな奥様は日本語が上手!

常連であるパン友さんが奥様とお話している間にパンを選ぶ。
予約したときの電話では「大きい方しかない」といっていた
シナモンロール、わーい、ちゃんと小さい方もある!

店内では、かわいいニャン子ちゃんがめちゃくちゃすばしっこく駆け回る。
あいにくのグレーの空だけど、過ごしやすい日だ。
御簾がすずしげに、外の緑に溶け込んで写る。

ハーブオニオンフォカッチャは、大らかにバジルとたまねぎを載せて
焼いたもの。このバジルも自家製。自給自足!


プレーンとポピーシードのベーグル。
外はバリッと、中は実がつまってヒキがあるベーグル。
飾らない、素朴な粉の風味で、歯を立てたときに「めきめきッ」と鳴る
パリパリの表皮が小気味良い。

田舎パンのいちじく入り。
こちらのパン屋さん、本来はプンパニッケルとか
ライ度の高いパンも焼いているのだけど、この時期ライ麦のパンは
焼いていないそう。きっと美味しいんだろなぁ〜。

アメリカ的といえばやっぱりこれ!
シナモンロールには、クルミとレーズンも入っている。
この中のシナモン部分がものすご〜くスイートで美味しい〜!!!
ものすごく、といっても、決してベタベタな甘さじゃなく、
この部分だけが甘くて生地自体が比較的抑え目なので
最後まで飽きずにぱくぱく食べられてしまう。

他にもメロンパンやあんパンもあり、
きっとパンに慣れない地元の人でも美味しく食べられるパンがある。
ああ、そうだ! パン友さんがおすすめのブラウニーも
チョコレートそのままの濃い風味でめっちゃ美味、これマスト!

ダンナさんがつんできた立派なバジル。
これを、パン友さんにたくす。
「雪boloさんところによろしく」なんだそうな。
おお、パン屋間の配達ですね♪ いいなぁ、こういうパンのネットワーク。
パン屋さん同士の横のつながりみたいなものって
聞いているだけですごく嬉しくなるのはなぜだろう!





さてお次は…
前回も来訪した、焼き屋さん。
当然のことながら、もう場所はいったいどこなのかさっぱり(笑)。
とりあえず「山ん中です」としか説明できません!(笑)

ぐんぐんと路地をのぼり、店についたらパァッと視界が広がる。
まさかこの風景をまた今年も見ることになるとは…
とりあえず2ヶ月前まではまったく予想もしてませんでした。。。

まだ窯のぬくもりが店内にこもって暖かい。
決して暑いのではなくて暖かい。
この焼き屋さんの、存在感のありすぎる(笑)窯と、
その窯からの導線がとても短い、そばに並ぶパンたち。


とてもさわやかですてきなお姉さんに
前回も購入したベルさんの超個性的ジャムの説明をあれこれと聞く。
今回はタケノコのピクルスを購入!
実はまだ食べていないけれど、同行のパン友さんの御墨付きなので
酒のアテにでもするつもりなのである。

前回気に入ってしまったかぼちゃのパンと、
ケシがトッピングされたあんずパン。
ここのパンは、薄皮だけどパリッと小気味よく、
中がむっちりと目一杯詰まっているのがいい。
かぼちゃの風味も最初は控えめに感じるのに、
そのクセになる食感にまかせて食べ進むと、不思議に
かぼちゃの風味が積み重なってどんどんピントがあってくるというか。





さて…
まさかまさか2度目の再訪がこんなに早く訪れるなんて
あのときは全然想像もしていなかったのだけど…

前回の岡山訪問のときに、衝撃を受けたのがこちらの雪さん。
もう…ほんとうにギャグみたいなロケーション(笑)。
でもニ度目ともなると、もう驚かないぞー(笑)。

あれから何が変わったかといえば、
地元のメディアにも紹介されたり、
…ああ、そうそう! 産休あけました!
私が前回いったときはまだおなかが大きかったけど
今回は赤ちゃんにも会えるんだ〜。

ママになったおゆきさんは、ますますタフにパンを焼いている。
おお、このパン小屋の窯も相変わらずですね〜

…って、おい!(笑)
もともとパンを並べる棚があった場所がベビールームに(笑)。
窯の横にベビーベッドなんて、たぶん全国どこのパン屋探しても
そうそうないんじゃないでしょうか(笑)
パンの匂いに包まれて育つなんて…将来が楽しみだ!(笑)

まずは、一年ぶりのガーリックエピ!
はーー、美味しいわぁ〜。
都会でしか食べられないと思っていたあのスルメ系のバゲット。
そう、去年はその考え自体が嬉しい意味でくつがえされた、
パン好きにとってとてもすごい旅だったんだっけなぁと蘇ってくる。

超ーー大好き、オレンジスコーン♪
ここのスコーンは、スコーンといってもパイ、といったほうが近い。
確かに層ができていてパイなんだけど、
パイのようにバターで食べさせるというよりはやはりこれも生地のウマさ。

前回衝撃を受けた全粒粉のパン。
今回、「絶対美味しいに違いない」とあたりをつけて
予約したのがオニオンの全粒粉パン。

やっぱりド・ビンゴーー!!!
オニオンの甘さが粉の旨味に溶け込んで超〜美味っ!!
じっくり炒めたその様子が目に浮かぶかのように。
やっぱりこれにして大正解だったよーっ。

そう、同行のパン好きさん(彼女は今回初来訪らしい)におすそわけする。
彼女が買ったのは、チーズの全粒粉。
ぎゃーー! こ、こっちもうまうま(笑)。
負けました…いやいや、引き分けです…って、勝負じゃないから?!

パンを食べながら、岡山のおいしい果物を食べながら、
楽しい談笑は続いていた。ほんと、幸せなパワーみなぎるひととき…
おゆきさんの「バカ」がつくほどの息子溺愛っぷりには笑いっぱなし!

ん!
キミもこれが飲みたいのかい?(笑)
さすが、麦の子、大物になるねぇ〜!





私はこのあと、広島に向かう。
18きっぷだと2時間半の道のり。
5時台には到着しないとならないので
急いで山陽本線の駅まで送って頂いた。

私の「晴れ女」たる所以は、そう。
電車に乗ったとたんに雨が降り出すのである(笑)。
不思議なもんだよなぁ〜。

ほんとうに、なにからなにまで本当にありがとうございます!
また、岡山のパン屋さんに会いに来るその日まで…
(案外、また思いがけずチャンス到来したりして?)





*広島編*

広島に到着したのは17時半ごろ。
ここから路面電車に乗り、市街地のホテルに向かう。
雨がどんどん強くなって来た。
ああ、明日の降水確率は70%…。
降るなら今、どんどん降って欲しい!!!


さて、ひとりで広島インしたものの。
実は、今回はちょっと特別なイベントを企画した。
そのバンドが大好きで、ひとりで地方から広島まで遠征にきた
勇気ある人々(?!)だけを集めて、オフ会を企画したのだ。

基本的に、パンでもなんでも自分が率先してオフ会を企画するタイプでは
全くない私がなぜにこんな大それたことを?
しかも地元でも無い広島で???

それは…
とにかく誰かとそのバンドの話がしたかったから。
明日、会場で知っている顔がいる方がきっと楽しいから。
地元の人企画のイベントだと、おそらく広島焼きが食べられないから(それ?)
…お目当ての広島焼き屋さんに行列無しで入りたかったから(それかよっ!)



集合場所は、広島外からの人でもわかりやすい場所。
ものすごい滝のような豪雨になり、心配したが
時間通りにちゃんとみんな集まってくれた。
好きなバンドが同じだと、やはり「その世代」の人ばかり(笑)
とりあえずその店へ場所移動しましょう…
まったく初対面の男女8人を引率して、夜の街へ…

ここが、今夜予約したお好み焼きの店。
うぉぉ! こんなもんのすごい豪雨の中でも行列が20人くらいいる!
この店は、行列必須の有名店。
だけど「4名以上」であれば予約がとれるのである。
そう、ひとりで来ていたら並ばなきゃならないけど
最低4人いれば並ばなくてもいいのだ…
こんな邪な私の企画にみなさん、お集りありがとう!(笑)

初対面の男女8名(そのうち関東7名、名古屋1名)で乾杯!!!
パン好き同士がものの5秒で打ち解けられるのと同じように、
同じバンドのファンで、こんな広島までかけつけるような人たちですもの、
あっという間に打ち解けて、ものすごく盛り上がる。

「解散後もずっとメンバーの活動を追っかけてきたファン」が多くて感動でしたな。
とにかく、みんな熱い!

肝心のお好み焼きであるが、最初は鉄板焼やモツ煮込みなどでおなかを満たし、
最後にお好み焼きへとシフトすることにした。
しかしまぁ…この貸し切りの席はなんというか…汚すぎてちょっとびっくり。
幹事ということもあり、仕切りにがんばってイマイチ味わい損ねていた…
というのもあるが、やっぱり広島焼きは麺のおいしさが左右するのかな、
キャベツが甘く、どことなくピーナツのような風味のするお好み焼き。
まぁとにかく、盛り上がったから万事OK!!!

「蜂色」のリストバンドをみんな装着、明日に向けて心はひとつ!!!
(ちなみに私の腕にはもうひとつ、某パン屋のリストバンドが…)



後編に続く*
2008.8.22〜24



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