2006年10月14日 (土)
再会のための別れ。
台からこぼれ落ちそうなパンの洪水を目の当たりにしながら、全然関係ない話をしますと…
あるお店が、休業するそうです…。 多くの人に愛されている店だけど、愛されすぎたがゆえに…。休業自体はほんの数週間のことだけど、本当の意味での「再開」はまだまだ時間がかかるのではないか。その店を愛する人はそう言います。このままだと、その店がその店であるための大事なものが、崩れてしまわないか…見えないカタチで、だけどその店を愛する人たちには見えてしまうカタチで…。
大事なモノがカタチを変えてしまうことへの恐れと不安は、私にも覚えがある。大切な店を失ったときの喪失感は、心にぶすりと大きな穴を貫いて風が断り無く吹き抜ける。いったん、失ってしまったときには、「これは永遠の別れなのか」と泣き暮らしたこともあった。そのときのことが遠い遠い昔話のように、つかの間の冗談だったかのように、今こうしてまたパンと対峙できている。
私はそこまで、その店のことを知っているわけでも思い入れが強いわけでもないけれど、きっと「再会」のための別れなんじゃないだろうかな。本当の「再開」の日は、きっと来る。根拠はないけれど、確信に似たカンでそう思う。すでに一昔前にこのパンたちと「再会」を果たした経験者は語る、です。
*なお、「休業」するのはパン屋さんのことではありませんのでご安心を(?)* |
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