2006年8月31日 (木) その2
駒形どぜう@浅草
どぜう…といえば、私は浅草の飯田屋。この夏だけでも2回行った(DIARY2006年7月2日とPriv.mi_wa14番参照)。…はっ!! この夏、一回もうなぎ食べてないし!(笑)
それでも、ほかを知らずして「ここのどぜうが一番!」って言うのはどうなのよと思い、もうひとつの老舗有名どぜう屋「駒形どぜう」にれっつらゴー!
ここは地下から3階まである江戸を象徴するような家屋、200年以上の歴史を持つこの老舗。連れが来る30分も早く到着してしまった私は、店の前の長いすに腰掛けて一軒目の酔いを冷ましていた。少し強めの風が醤油たれの甘いにおいを辺り一面にただよわせる。明るい照明に照らされる格子戸を眺めながら、ぼんやりぼんやりと…。
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この店の持ち味はやはり1階の入れ込み座敷。へたに予約なんて入れてしまうと、2階とかに通されてしまうので、予約を受け付けていない1階席は、行ったところ勝負なのである。幸い、ラストオーダー近くの入店だったのですんなり入れた。座敷に、足のない板がテーブル代わりに何本か並んでいる。みな、胡坐をかきながら鍋をつつくのである。連れいわく「将棋をさすみたいな」。あぁ、それだ、それ!
隣との距離も近く、目の前の相手との距離も近い、江戸の社交場。給仕のオネエチャンたちは、まさにいまどきの茶髪なんだけど(笑)気遣い気配りもちゃんとできて好印象。
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どぜう鍋1人前は、小さな七輪で出されるが(飯田屋はガスコンロだが、いずれにせよ、趣があるのは変わらない)、なんとまぁまるまるとでぶったどぜう!! しっかり下ごしらえされ、味がしみこんでいるんだろうなーと想わされる。もちろん、ネギを加えて、温まったらさぁいただきましょう。
うん! うまい!! 駒形は甘さ控えめかもしれない。飯田屋の方が個人的には甘さが強くて好みだが、味のしみ方は駒形かな。柳川鍋ももちろん美味ー。どぜう入り卵焼きに至っては、そのほわっと口の中でほどけるようにやわらかいタマゴに感動、熱々とふわふわが同化し、柳川よりもストレートに「ほのかな甘さ」を感じられる。絶品…! 心もほどけてふにゃふにゃである(笑)
もっと美味しかったのは、どぜう汁。これがまるで「3日後の豚汁の最後の最後の残り汁」みたいな(笑)、汁が煮詰まって濃くなったような、あんな汁にどぜうがにょろり(笑)。うまいーー! カレーパンもやっぱり鍋底カレーよね(笑)、豚汁も鍋底が一番うまいもん(笑)。
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あの絶品親子丼がある分、飯田屋さんの方が味的に若干好きだけど、店で食べる楽しさには甲乙つけがたい。なによりもこの佇まいの中で「粋」にどぜうをつつくのは、江戸っ子だけに許された娯楽なのかなーなんて。って、私、道産子なんですけどね。 |
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